
第4回 「ゲーム観戦の楽しみ方」その2
週末ゲーミングライフ第4回目では「ゲーム観戦の楽しみ方」その2として、ファーストパーソンシューターの代表タイトル別の観戦の楽しみ方を紹介していきたい。ゲームムービーやリプレイ動画を見るポイントをご理解いただき、ゲームの奥深さとともに上達のワンステップの1つとしていただければ幸いだ。 本稿で紹介するタイトルは「Counter-Strike:Source」、「Quake 3」、「Sudden Attack」の3タイトルだ。それぞれの射撃のテクニックだけではない玄人テクニックのポイントをご紹介していく。 観戦に興味を持った方には、各タイトルの公式ページやファンページの他、主にe-Sportsジャンルに特化したメディアとして定評のある「GotFrag」(英語)のリンクを稿末に紹介しているので、膨大な対戦ムービーのアーカイブから世界のプレーヤーの対戦を楽しんでもらいたい。
「Counter-Strike :Source」
攻守のバランスと資金の戦略的管理が特徴のファーストパーソンシューター
「Counter-Strike」シリーズの面白さを一言で表現するなら、「アメリカンフットボール的」という言葉がしっくり来ると感じている。対戦は通常5人対5人で2箇所の爆弾設置ポイントの爆破を巡る攻守各15ラウンドの交替制で16ラウンド先取で勝敗が決定する。攻め側をテロリスト側で、カウンターテロリスト側が守りとなる。このゲームをより深いものにしている要素に「資金」が存在する。
本作は各ラウンドの勝敗やキル数に応じて支給される資金で、銃や武器をラウンドの都度買い揃えていく必要がある。ラウンドを生き残ればそのまま装備は持ち越され、強い武器ほど高額になっていく。ラウンド中に倒されてしまうと武器や装備をすべて落としてしまうため、次のラウンドに再び資金を使って買いなおす事になる。
攻守各回の1ラウンド目は「ピストルラウンド」と呼ばれ、両軍共に資金がほとんどないため、ピストルを主体とした貧弱な装備のまま戦うことになる。ここを勝ち抜けたチームは得られた資金で連射力・貫通力のあるライフルを購入することができ、ピストルラウンドを落としてしまったチームは以降の2~3ラウンドを「エコラウンド」として、何も装備を買わずに資金を貯金してフル装備にしてからの戦いを臨むことになる。
そのため、1ラウンドを落として不利になってしまったチームは、初期装備のピストルしか所持していない状態でチーム全員で固まり、火力を束ねることで1人でも多くの敵を倒し、チーム全体の資金を削ぐことを狙っていく。
定石としてはラウンドスコアが3-0、4-0から、勝ち続けて資金の豊富な相手チームに対してどのように負けている側のチームが組みしていくのかが見所になる。勝負ラウンドではこれまでため続けた資金を使ってフル装備を作り、同等の装備で戦いを仕掛けることになる。そのラウンドを負けてしまえば、再びエコラウンドに逆戻りしてしまうため勝機がどんどん遠のいてしまう。そこで勝つ事ができれば相手チームは資金を崩して再度勝負ラウンドが展開される。こうしてラウンドを積み重ねる中で相手の資金を削ぎ、相手チームをエコラウンドに追い込めば逆転への道筋が見えてくる。
「Counter-Strike」シリーズの場合、購入可能な武器の価格やマップの位置取りなど、攻めるテロリスト側に有利に働く傾向がある。テロリスト側で勝ち続けるのは定石として、どのように守るカウンターテロリストで勝利ラウンドを重ねていくかがポイントになってくる。
様々な大会で語り草にもなるようなスーパープレイでは、そうしたラウンドごとにおける不利な状況を跳ね返すところにドラマが生まれることが多く、不利な状況をひっくり返すことで試合は俄然面白さが増してくる。
ピストルラウンドで火力差が歴然としているライフルを持った相手にピストルだけで倒したり、貫通力の高いデザートイーグル(ピストル)のみを購入し1点突破を狙う「DEエコ」と呼ばれる特殊なエコラウンドを挟むなど、不利なチームは様々な陽動作戦を考える。
1点突破なので防がれてしまうことも多いが、もし成功すれば倒した敵から強力なライフルを奪うことになるため、試合展開の展開はその場の雰囲気と共にまったく違ったものになってくる。
この他に、ラウンドの合間に自分の持っている資金を申告しあいながら、武器を仲間同士で融通しあうということもよく見られる光景だ。強いチームほど資金管理が上手い傾向にある。射撃のウデは一流でもチームとしての勝利を考える事ができるかが、最終的な勝利のポイントとなるだろう。ラウンドの合間の買い物時間にさえも、勝負は始まっているのだ。管を巻きながら観戦するにももってこいのタイトルだろう。

「Counter-Strike :Source」では、資金のやりくりがものをいう。ラウンドの合間の買い物シーンでは、仲間と武器のやり取りをしたり、戦略を練る以外にもやることがたくさんある。
個人戦のファーストパーソンシューターでは時間管理を追ってみよう!
「Quake 3」や「Warsow」、「Uneral Tournament」といった1対1が基本になる各タイトルの試合は、主に10分や15分といった決められた制限時間の間、1つのマップでひたすら敵を倒しあうデスマッチ制で行なわれる。
ここではマップに出現するアイテム管理が大事になってくる。チームでの動きがない分複雑な戦略性から開放されており、射撃のウデとマップ・アイテムコントロールが大事になってくる。試合が始まるとマップにいっせいに相手と自分が出現するものの、いきなり対戦相手のことを探しにいったりはしない
トッププレーヤー同士のゲームでは、単に相手のことを探すのではなく、マップ中に広がるアイテムをローテーションして動き回ることで、相手の位置やどの程度の火力や防御力を持っているのかを理解し、戦略を組み立てていく。
プレーヤーは最初のリスポーンでは貧弱な武器しか持っていないため、強力な武器やアーマーを求めてマップ中を動き回ることになる。通常マップごとに、防御力を高めるアーマーや武器の出現位置と出現時間間隔は決められている。試合ではどの位置にあるアイテムから取得していくかを現在の位置から考えていく。
或いはすでに取られてしまったアイテムから、どの程度相手が武器を集めてアーマーの強化が進んでいるのか、さらにどの位置におり、どの方向を目指して動いているかといった考えをめぐらせながら、敵と対峙するタイミングを計っていく。こうした判断は非常にテンポが速く、コンマ数秒の判断が勝負を分けていく。
前述した「Counter-Strike」シリーズや「RainbowSix」シリーズ、「BattleField」シリーズなどが「ミリタリー系」や「リアル系」と呼ばれるのに対し、これらの1対1がメインのタイトルは「スポーツ系」と呼ばれている。
その所以の1つに、相手よりもいち早くマップ中に散らばる重要なアイテムを取得して、タイミングを見計らって相手との打ち合いを試みるローテーションの中で試合が進んでいくため、非常にスピーディーな展開だということがあげられるだろう。また、試合もラウンド制ではなく、時間当たりに相手を倒した(フラグ)数を競うデスマッチ方式で争われるため、試合時間中はマップ中をめまぐるしく動き回る展開になる。
たとえば「Quake 」シリーズの場合はHPを100増加させる「メガヘルス」やアーマー値を増加させる「レッドアーマー」、一撃必殺「レールガン」や近距離戦では最強の威力を誇る「ライトニングガン」などが取得するプライオリティの高いアイテムとなる。
ゲームが始まってそれらのアイテムを取得したなら、以降の秒数を頭の中で刻んでおき、再び出現するときは必ず取得できる道筋をトップゲーマー達は考えている。自分の現在のヘルスやアーマーの状態と、相手が取得した武器やアイテムの状態を想定して、いける!と思った瞬間に叩きにいくことになる。そうでない場合は一目散に逃げていくことも戦術の1つだ。武器と自分のウデを頼みにした駆け引きはスポーツ系ならではの醍醐味だ。
中級者以上の試合で勝てるようになるためには、同じウデと武器で撃ちあったなら、間違いなくヘルスやアーマーの高い相手が勝つため、そもそも勝てる状況を作ることが勝利へ1歩となる。最初の拮抗が破られた以降、倒されたプレーヤーがいかに逆転パターンを組んでいけるかが勝利のカギになるだろう。
1対1の戦いが好きなプレーヤーには、射撃やエイミングのうまさだけではなく、マップやアイテムのコントロールを意識ながら試合全体を支配していくスキルを磨いていくと面白いだろう。
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1on1の代名詞ともいえる「Quake」。マップを支配しゲームを支配しろ!「Steam」から購入可能だ |
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個人戦のFPSとして、無料でプレイすることのできる「Warsow」。プレイ感は「Quake」のそれに近い。国内の大手ソフトウェアダウンロードサイトで簡単に入手することができる。非常に軽く、劇画調のキャラクタが戦いを繰り広げる。入門用にいかがだろうか。 |
気軽さがウリの「サドンアタック」!日本最大のユーザーに「魅せる」
現在日本で最もユーザー数の多いファーストパーソンシューターと言えば「サドンアタック」だ。「サドンアタック」はパブリッシャのゲームヤロウが直接ユーザーに対してサーバーやサービスを提供している。
サドンアタックの大会では、5人対5人で主に爆破マップを中心にプレイされている。開発元の韓国ではe-Sportsタイトルの1つとして認識されており、日本のプレーヤーと戦うイベントも行われた。地域ごとに各パブリッシャによりサービスが行われているため、海外のユーザーとプレイする接点はなかなか見つけることができないが、各地域のユーザーに合わせた楽しみ方が提供されている。
「サドンアタック」は「Counter-Strike」と同じ系譜を引くミリタリー系タイトルで、ゲームの戦略性も「Counter-Stirke」にある資金のシステムを排除し、純粋にラウンドごとにあらかじめプレーヤーの設定した武器が揃った状態でウデや連携に特化したプレイが楽しめる。
各ラウンドで仕切り直しがあるために、マップ中でのプレーヤー間の連携した動きや戦い方に特化してカジュアルに楽しむ事ができる。日本でのサービスの場合は、クラントーナメントリーグ「SACTL」や、ネットカフェイベントを中心に大会やオフラインイベントの面白さにフィーチャーしている。リプレイ機能や充実した観戦システムが盛り込まれていない分、プレーヤー同士が実際に対面しての遊び、生のプレイに触れることでこうしたニーズにこたえている。
普段自分が遊んでいる動きと比較しながら、或いは友達を誘いながら、会場でトッププレーヤーたちとのプレイを楽しんだり、新しい仲間との出会いを探してみると良いだろう。

カジュアルな基本無料オンラインFPSとして多数のユーザーを集める「サドンアタック」。ネットカフェなどで多数のイベントが開催されており、仲間のプレイを生で見ながら遊ぶことのできる仕組みを設けている
http://www.gotfrag.com/「GodFrag」(英語)
週末ゲーミングライフバックナンバー
第1回 FPSゲーム(ファーストパーソンシューター、エフ・ピー・エス)のルーツ
第2回 「MOD」って何?
第3回 「ゲーム観戦の楽しみ方」その1
ライタープロフィール
三浦尋一































