
第3回 「ゲーム観戦の楽しみ方」その1
週末ゲーミングライフ第3回目と4回目はPCゲーム観戦の楽しみ方についてお話したい。第1回、第2回とファーストパーソンシューターのルーツや、MODの面白さについて取り上げてきた。 ファーストパーソンシューターというジャンルを愛してやまない筆者だが、誰かにファーストパーソンシューターの面白さを伝えたいと思ったときに、プレイ画面を見ているだけではなかなか面白さを伝えにくいというシーンにしばしば遭遇する。本稿ではファーストパーソンシューターの「観戦する楽しみ」をテーマに、プレイするだけではない「見る楽しさ」についてお伝えしていきたい。
「1度やってみれば面白いのに!」
隣のあの子にオススメしたいあなたに
観戦というテーマにおいて、ファーストパーソンシューターというゲームジャンルは1人称視点が前提であることに大きなビハインドを伴ってきた。柱の影に潜む敵を裏から回りこんで倒したり、出会い頭にヘッドショットでやっつけたりと、やってみるとものすごくエキサイティングなのにも関わらず、初めてゲームに見たり触れたりするユーザーにとっては、画面を見ているだけでは中で何が行なわれているのかわからないことも多い。
分かりにくいインターフェイスであるゆえに、後述する放送や実況などを交えた工夫のしがいがあるコンテンツであるだろう。対照的なゲームジャンルで言えば「StarCraft」や「Age of Empire」シリーズのようなリアルタイムストラテジーのジャンルがあげられる。プレーヤーの視点が俯瞰視点であるため、プレーヤー同士の画面を交互に見ているだけでも比較的ゲーム全体の流れが掴みやすい。実際韓国でもゲームチャンネルのほとんどのコンテンツは「StarCraft」や「Warcraft III」といったリアルタイムストラテジーで占められている。
「Counter-Strike :Source」の場合、アップデートの中では着実にこれらを克服する努力が重ねられている。リリース当初はスペクテイター(サーバー内の観戦者)に対して、プレイ中のプレーヤー視点、後方からの視点、自由なカメラ移動しか提供されていなかった。しかし、アップデートを重ねるうちにスペクテイター各プレーヤーの足取りの軌跡や、ミニマップ画面上でプレーヤーの向きから体力などのステータスまでをも瞬時に見る事ができるようになった。
ModやSDKを公開するなどグローバルで遊ばれているタイトルの先進性を考えるなら、こうしたプレイした先にアプローチする開発が根気よく続けられていることが注目されるだろう。
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「Counter-Strike :Source」のスぺクテイター画面では、ミニマップ上にカメラアングルからプレーヤーの位置、体力まで一目瞭然だ。 |
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「見て楽しむ」ゲーム作りの可能性
オンラインでサービスが行なわれているタイトルに関しては、メーカーは売れるまでの努力にもまして、いかにたくさん遊んでもらえるかに対する配慮が必要だ。観戦者に対しての配慮は即ちトーナメントの盛り上がりや「魅せる」映像をいかにユーザーに作ってもらえるかにも非常に大きな影響を与えている。
これには対戦型ならではのトッププレーヤー同士のスーパープレイを編集して映像化したり、後々の戦術の研究に役立てたりと、ユーザー自身がコンテンツを成長させるUCC(ユーザークリエイテッドコンテンツ)の可能性が大きく開けている。プレーヤーがプレイした結果を元にさらにゲームを楽しめる要素が設けられているのだ。
特にそのタイトルを遊んでいるユーザー人口が多くなるにつれて、大規模な大会が開かれるようになると、必然的に「魅せる」需要に迫られることになる。大会専用のMODやマップ、オリジナル仕様のサーバーが多様なタイトルでリリース後に作られる背景にはこうした需要が隠されているのだ。
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プレイしてして、白熱した戦いを誰かと一緒に楽しみたい、という気にはならないだろうか |
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日本でのゲームムービー制作例
「CSCTL カウントダウンムービー」
プレーヤーのゲームプレイに注目したムービーの一例をご紹介しよう。日本の「Counter-Strike」シリーズのトーナメントとして株式会社 成のTaxが運営するゲームリーグ「Counter-Strike Tournament League(CSCTL)」では、トーナメント中のハイライトシーンを集めた「CSCTL カウントダウンムービー」を各シーズンごとに制作していた。
http://www.biglanonline.jp/csctl/download.html
(CSCTLオフィシャルダウンロードページ約300MB)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm792012(ニコニコ動画)
オンラインFPSからファーストパーソンシューターに触れたユーザーにはぜひ一度ご覧頂きたいのだが、プレーヤー視点の動画やスペクテイター視点をつなぎ合わせただけでは決して不可能なカメラワークの存在がある。
これは、リプレイ機能と呼ばれる将棋の感想戦で棋譜を再現するのとまったく同じ機能が「Counter-Strike :Source」のゲーム上に備わっており、リプレイ機能をオンにすると、ゲームのインストールされたフォルダ内に、プレイ内容を再現するファイルを書き出すことができる機能が当初から備わっているのだ。専用のビューアも公開されており、試合開始後何分何秒のプレイ状態を忠実に再現することができる。
「Counter-Strike :Source」や「Age of Empire」シリーズなど長らく世界で遊ばれている著名なタイトルほど確実にリプレイ機能が盛り込まれており、単にムービーとして記録しておけるばかりでなく、神業がうまれた「その瞬間」のキャラクタの位置や体力にいたるまでそのまま再現できてしまうのだ。多くのリーグ戦では試合の際に記録されたリプレイファイル(デモファイルとも呼ばれる)が公開されている。上述のCSCTLのダウンロードページにも試合のリプレイファイルが公開されており、「Counter-Strike」がインストールされているパソコンから自由に再生することが可能だ。
このファイル1つで大会運営者でなくても自分の好きなプレーヤーのプレイをつなぎ合わせたムービーや、スーパープレイを集めたプレイ集を制作することができるのだ。
アジアで広く遊ばれているオンラインFPSではプレーヤー側でそうした自由度の高い観戦機能を享受できるタイトルがないため、筆者としては最も開発会社に実装を考えてもらいたいシステムの1つである。
一口にゲームの試合とはいえ、こうしたトッププレーヤー達のプレイに実況と解説を加えることによってゴルフやテニスなどのスポーツとまったく変わらない観戦の醍醐味を楽しむ事ができる。さまざまなゲームタイトルでこうした開発が行なわれ、ゲームコミュニティの人々が多様な方向性で楽しめる環境づくりを期待したいところだ。
また、「CSCTL Season3 Count Down Movie」を作る際には、映像ツールではキャプチャソフトの「Fraps」、編集ソフト「Premire pro」、「After Effect」、リプレイ再生用には画面中のプレイ中のカメラワークを補助することなどができる高機能なフリーツール「mirv demo tool」を使用して作成されている。
ゲームムービーにはいかにかっこよく敵を倒したかに特化した「フラッグムービー」や、アテレコやお笑いの要素を盛り込んだ「ファンムービー」などさまざまな切り口でユーザーの手により無数に公開されている。ムービー制作を楽しみにプレイしているユーザーで1つのゲームコミュニティが成立しているといってもよい。プレイの息抜きに自分が遊んでいるタイトルでオリジナルムービーを作ったり、ムービーを見せて一緒にプレイする仲間を見つけてみるのも面白いのではないだろうか。
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「CSCTL カウントダウンムービー」。日本語の実況を交えてアツイ戦いをピックアップしている。ぜひご覧あれ! |
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日本のゲームニュースサイト「negitaku.org」。FPSやRTSを中心としたゲームに関する話題から、大作のムービーに関する話題まで幅広くピックアップされている。 |
週末ゲーミングライフバックナンバー
第1回 FPSゲーム(ファーストパーソンシューター、エフ・ピー・エス)のルーツ
第2回 「MOD」って何?
ライタープロフィール
三浦尋一





























