クランを設立する

前回の記事では、既存のクランへの入隊について、説明したが、今回は新しくクランを設立する場合の手順について説明したいと思う。

ゲーム内で集まるクランといえども、人間の集まりだ。そこにはリアルな人間関係が待っている。クラン活動の目標や、個々のゲームへの楽しみ方の違いからせっかく設立したクランが頓挫してしまうことは、よくあることだ。そうならないためにクランリーダーはどんな意識や活動の指針を持っていればいいのか?!悩めるクランマスターは必見です。 プレイトーク第8回 「クランを設立する」それではスタートです。

クランを設立する意味

新しくクランを作る前に、その意味を考えてみる必要がある。

既存のクランへ入隊せずにわざわざ新しいクランを作る積極的な意味はどこにあるのだろうか。

既存のクランへ入隊してみようと各クランのHPやIRCを回ってみた方ならおわかりだろうが、クランにはそれぞれ独自のカラーがある。クランが異なれば、運営方針やクラン戦に対する考え方も異なってくる。

もし、あなたが既存クランの運営のあり方に疑問を抱いてたり、また、クラン戦に対する独自の哲学を持っているというならば、新しいクランを作る意味があるといえる。

筆者自身もクランの運営をしていた経験があるが、クラン戦に対するポリシーとして「1+1を3にするチームワーク」というものを掲げていた。個人技よりもチームワークを重視するスタンスである。逆に個人技を重視するクランもあった。「強い者が集まれば、より強いクランになる」といった具合である。また、他の変わった例としては、スナイパーに対する強いこだわりを持ったクランもあった。クラン戦において、絶妙なスナイパーの使い方をしてきたのが印象的である。

以上のように、クランの運営やクラン戦のスタイルについて、あなた自身が何かしらの哲学を持っているなら、クランを設立することは、あなたの哲学を実行に移す絶好の機会であるといえるだろう。

クランリーダーの資質

クランリーダーに求められるものは以下の通りである。

ゲームに対する熱意

クランをリードしていくには特定のゲームを長く続けられるだけの熱意が必要である。クランを運営するにあたり、募集活動、HP作成、クランサーバーの用意などの仕事をこなさなくてはならないが、このような面倒な雑事を苦に感じないくらいの前向きな気持ちがあることが望まれる。

ヴィジョン

クラン活動を通じて、どのようなことを実現したいかという青写真が必要である。大会の制覇を目指すのか、あるいは気軽に遊べる仲間を見つけるのか、などクラン運営の目標や指針である。

高い活動頻度

クランリーダーは1週間のうち、できるだけ多くの日をクラン活動に割けることが望ましい。一週間のうち、週末など、特定の日のみを活動日とすることももちろん可能だが、活動日を限定してしまうと、それだけクランメンバーの募集が難しくなる。クランメンバーは、毎日クラン活動をしたい人や、週末のみ活動したい人など、様々な活動日を希望する人で構成される。したがって、1週間を通してみると、クランメンバーの入れ替わりがあるのが実情である。リーダーは1週間を通してクラン活動に参加し、入れ替わるメンバーに対して、一定の方向性を示す役割を担う。実社会にあてはめるなら、クランメンバーがアルバイトの店員であり、クランリーダーが店長である。アルバイト店員はシフトによって入れ替わりがあるが、店長は常に店にいる必要がある。

パソコンに関するスキル

パソコンに関するスキルは、かならずしも必要というわけではないが、あれば大いに活用できることだろう。クラン専用のゲームサーバーや音声チャット用サーバーを用意したり、クランの広報のためにホームページを作成したりと、クラン活動を通してパソコンに関するスキルを発揮する場面は多い。

クラン設立の流れ

クラン設立の覚悟ができたならば、いよいよクランの立ち上げに向けて行動を起こそう。クラン活動に必要な物的要素(インフラ)と人的要素(メンバー)の両方に対して働きかけていくことになる。それぞれ、同時進行で進めていけばよい。

クランのインフラを整備する

IRCチャンネルの作成・ナルトの保持
IRCの仕組みについては前回の記事でも紹介した。IRCチャンネルはクランメンバーが集まるための「部室」の役割を果たす。クランのIRCチャンネルを作成するには、新しく作りたい任意のチャンネル(#Clan_○○○など)に接続するだけでよい。新しくチャンネルを作成した人にはオペレーター権限(通称:ナルト)が与えられる。ナルトを持ったユーザーはチャンネルの性質や他のユーザーの発言権限などについて管理し、また他のユーザーにナルトを与えることができる。注意すべきことは、ナルトを取得できるのは新規にチャンネルを作成した場合に限られるということである。厳密に言うと、チャンネルに誰も居ない状態で、最初にチャンネルに入った人にナルトが与えられる。そのため、クランメンバーが全員チャンネルを退出し、新たにクラン以外の人がそのチャンネルに接続すると、その人に管理権限が渡ってしまうことになる。管理権限を保持し続けるには、24時間IRCに接続可能なPCでチャンネルに接続し、そのPCにナルトを与えておくか(IRCボット)、24時間接続可能なメンバーにナルトを託すかしなければならない。24時間稼働可能なサーバーマシンを組むことができるなら、理想的である。サーバーマシンはIRCボット以外にも後述のゲームサーバーとして機能させることが可能だ。

クランのサイト

クランのサイトがあれば、広報活動やメンバーの募集に役に立つ。また、メンバーのみが閲覧できるページを作ることで、伝言板のような使い方も可能だ。Wiki形式であれば、各々のメンバーが容易に編集できる。連絡以外にも、クラン戦の作戦をまとめておけば、練習に参加できなかったメンバーが後から参照できるし、覚え書きにもなる。このようにクランのホームページは外に対しては情報を発信し、内に対しては情報を共有するツールとなる。IRCなどのチャットツールはリアルタイムの会話には向いているものの、情報の保存・共有には適さない。メンバーの数が多くなればなるほど、Wikiなどのグループウェアを使った情報の共有が重要となってくる。クランの総メンバーが15人いたとしても、一度に試合に出るのは5人ないし6人であるのが通常である。どの5人を選んでも一定の水準で連携がとれるようにするためには、クランの作戦行動について全員がよく理解しておく必要がある。たまにしか練習に参加できないメンバーに作戦行動を伝える手段としてグループウェアは有効である。

クラン専用のゲームサーバー

クランの専用ゲームサーバーを用意することは、作戦行動の練習をする上で重要である。クランの作戦は機密事項であるため、パブリックサーバーで練習をするわけにはいかず、パスワードの掛かったプライベートなサーバーが必要となる。専用サーバーは閉鎖性のほかにも、マップの変更が容易に行えたり、練習のためにチートコードを発動させたりできる。

募集の告知

メンバーを募集する際、告知をどこで行うかが問題だ。クランのサイトがあれば、そこで告知を行うことができるが、まだ、準備ができていない場合は、各ゲームのコミュニティーサイトの掲示板や、IRCチャンネルが告知に最適である。

何を告知するか

告知すべき内容は、

  • クラン活動の目標
  • 活動時間
  • 活動日
  • 希望するメンバーの条件
  • 連絡先のIRCチャンネルやクランサイト

等である。入隊希望者と連絡がついたら、面接の日時を取り決めて、IRCチャンネルに来てもらうとよいだろう。

面接・仮入隊について

入隊希望者との面接において、特に注目すべき点はアクティブ率と人格である。

アクティブ率、すなわち、活動できる頻度の高さが重要である理由は、クラン戦においては共に練習を重ねた時間が長ければ長いほど、チームワークの恩恵をより多く受けられるからだ非常に高い個人技を持ったプレイヤーであっても、ごくたまにしか練習・クラン戦に参加できないのだとすれば、連携の質はパブリックサーバーでの連携と変わらないものとなる。また、これはどのクランも直面する切実な問題であるが、クラン戦を行うためには各ゲームの慣習・ルールにのっとった所定の人数(5人から8人程度)が一度に揃う必要があるものの、この人数を安定して集めるのはなかなか難しいという問題だ。

もし、リーダーであるあなたが毎日クラン活動に参加できるとしても、それ以外のメンバーが各曜日、一日ずつしか顔を出せないのであれば、メンバーを7人採用したとしても、毎日2人ずつしか人数が揃わないことになる。一方、毎日クラン戦に参加できる4人を採用したならば、毎日、安定して5人の人が揃うことになる。5人が安定して揃うクランは、毎日どこかのクランに練習試合を仕掛けていくことができるし、同じ5人で毎日、試合や練習を重ねている分、以心伝心の連携が可能になる。逆に総メンバーが多いにも関わらず、安定して人数が集まらないクランは、練習試合の経験を積むチャンスが少なく、顔ぶれが毎度変わるために意思疎通が難しくなる。したがって、クランを高度に成長させるためには各メンバーのアクティブ率は非常に重要な要素となる。

そして、メンバーの人格を重視する理由は、人間関係のトラブルがクラン活動にとって命取りになることが多いからだ。クランタグをつけたクランメンバーがパブリックサーバーでマナーを欠いた行動をすることで、クランの評判を落としてしまう等が対外的な例である。対内的な例には、メンバーの配慮に欠いた行動が喧嘩や陰口の原因となり、チームワークの基礎となる信頼関係を失ってしまうことなどがある。皆が気持ちよくクラン活動を続けていくためにも、その人の人間性を見た上でクランメンバーを採用すべきである。

実際に、入隊希望者がクランになじめるかどうかを判断するためには一定の期間、仮入隊期間を設けてお互いに様子を見るシステムが有効である。一定の期間が経過した後に、お互いが納得したうえで採用をするか否かを決めれば双方にとって都合がよい。

今回はここまで。次回は、クラン活動の実態についてより深く見ていくことにしよう。お楽しみに!


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