守備と攻撃の実践的テクニック

これまで、個人スキルの基本事項について解説してきた。今回はこれらのスキルを応用しながら、実際のゲームのなかで、守備や攻撃を有利にする実践的テクニックを伝授する。

「守備のポイント」

守りに関する基本的なストラテジーは、複数のボムサイトに均等に目を行き渡らせることであり、戦力の「分散」はチームレベルでの戦略として重要である。個人レベルでは、自分が守るべき場所をキャンプなどを用いて、無理をせず、確実に守ることが鍵となる。
以下では具体的に意識をすべきポイントを挙げる。

守っている場所を報告

自分が守っている場所を定期的に報告しよう。
こうすることで、味方はそれ以外の場所を守ったり、余裕があれば遊撃に出かけたりすることができる。
「このサイト(目標)は安全だよ」と伝えることでメンバーの集中力が分散するのを防ぐという精神的なメリットも大きい。

味方の残り人数に注意

味方の人数が多いときは遊撃やバックアタック(敵集団の背後に回り込んで、隙を突くこと)なども有効であるが、人数が少なくなっていくにつれて、ボムサイトの警戒がおろそかにならないように注意する必要がある。
特に残り二人になったときは、お互いに連携を取り合って、二つのボムサイトをそれぞれが監視する必要がある。チームチャットを使って、それぞれ、どちらのボムサイト守るか相談しよう。

どちらに爆弾が仕掛けられたか報告する

敵によって、ボムを仕掛けられてしまった場合、どちらのサイトに仕掛けられたかがわかり次第、チームチャットで目標を報告するようにしよう。

解除時は爆発時間に注意

ボムが設置されたあとは、解除が最優先事項となる。
敵の撃破に熱中するあまり、解除時間が無くなってしまうことのないようにしたい。場合によっては、敵の殲滅をあきらめ、隠れながら解除に挑むということも必要である。どれだけ頑張って敵を倒しても、解除に間に合わなければ負けてしまうからである。

「攻撃のポイント」

攻撃時の基本的な戦略は「戦力の一点集中」である。
守備側のチームは戦力を分散して、二つのボムサイトを守る必要があるが、攻撃側のチームは一点に戦力を集めることができる。キャンプ戦法で守備を固められるという点では守備側が優位であるが、その優位性に対して、戦力(人数)の差で対抗するのが攻撃の際のポイントである。

同時に攻める・団体行動

ラウンド開始前に、チームチャットで予めどちらのボムサイトを攻めるか決めることで、一方のサイトに戦力を集中することができる。また、ラウンド中もできるだけ団体行動を心がけたい。二人で行動する場合、1人が前方を警戒し、他方が後方に気を配りながら移動するのがよい。そして、部屋への突入の際には、突入のタイミングを合わせることで、守備側の負担を倍増させ、有利に占拠することができる。

足音を消す

敵が居そうなポイントに近づいたら、足音を消すように心がけたい。
団体行動時には1人だけ音を立ててしまうと他のメンバーにも迷惑がかかることになるので特に注意が必要だ。特に前方を走っていたメンバーが警戒し足音を消す動作を行ったら、同様に足音を消す動作を行いたい。

バックアタックを警戒しろ

集団行動している時に気をつけたいことは、集団の背中を取られることである。戦いに熱中するあまり、全員が前方にしか注意を向けていないというのはよくあることである。
チームがセクションごとに前進していく場合は、セクションの最後部に残りつつ、チームの背中を守る人が少なくとも1人は必要である。チームがあるセクションを攻略している間は、最後部でキャンプをして後方を警戒する。そして、チームが次のセクションに進んだら、また移動して、次のキャンプポイントに移る。こうすることで、バックアタックにやってくる敵を簡単に倒すことができるはずだ。裏をかいたつもりの敵にとっては、非常にやっかいな存在であり、チームメンバーにとっては頼もしい存在である。パブリックサーバーでこのような行動が取れるプレイヤーは少ないので、率先して行うとよいだろう。

時間配分に気を遣う

攻撃チームは、制限時間内に敵を全滅あるいは、目標の爆破をしなければ負けとなる。キャンプ戦法で、遊撃している敵を倒すのも一つの手ではあるが、それだけでは勝つことはできない。
制限時間に気を配りながら、積極的に攻める必要がある。

C4(ボム)を持った時は

チーム内で1人だけがC4(ボム)を持てるゲームの場合、C4を持ったプレイヤーはその旨をメンバーに報告しよう。
C4を持ったときには、無理な行動を避け、極力メンバーの保護を受けるようにしたい。なぜなら、敵の守備が厚いポイントにC4を落としてしまった場合、C4の回収が困難になるからだ。また、設置時には、どちらのサイトに設置するかをメンバーに伝えて、援護を要請しよう。

ボムを仕掛ける位置

ボムを設置する位置にも気を遣おう。設置ポイントは大きく分けて二つに分類できる。

爆破目標の説明

  1. 隠れながら設置できるため設置しやすい反面、敵も隠れながら解除しやすいポイント
  2. 設置中に狙われやすいが、設置後は守りやすいポイント

ボムを仕掛ける時の心理としては、設置中に狙われるのが怖いため、(1)のポイントに仕掛けたくなってしまう。しかし、設置後のことを考えるなら、(2)のポイントのほうが圧倒的に守りやすい。(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲから監視できる)

味方の数が多いときは、敵が潜んでいそうな、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳのポイントをクリアリングしたあと、(2)のポイントに設置するのがベストである。ボム設置後は、味方をI、Ⅱ、Ⅲ などのポイントにキャンプさせるとよい。

味方が全滅し、独りで設置する状況でも、やはり、可能な限り(2)に設置するようにしたい。設置後、ⅠやⅡのポイントにキャンプすることで、独りでC4を守ることができるからである。(1)に設置するのは、時間切れになりそうで、クリアリングの時間が無い場合ということになる。

定期的にC4をチェック

ボム設置後は、定期的にC4のチェックをする。「他の誰かが守ってくれているだろう」と油断していると、誰もC4を見ていないということにもなりかねない。パブリックサーバーでは率先して、C4の監視をするようにしよう。

「そのほかのスキル」

エンカウンターポイントを理解する(敵と会う場所と時間)

エンカウンターとは「出会い」を意味し、FPSにおいて、エンカウンターポイントとは敵と出会う場所のことである。ラウンド開始直後、両チームが前進していき、それぞれがぶつかり合う場所、すなわち戦線のようなものだと考えてもらってもよい。マップごとに異なるエンカウンターポイントを理解することが重要である。

ゲーム開始直後、どこまでなら安全に前進できるか、言い換えれば、どこから警戒を強めるべきかがわかるからである。場所だけでなく、敵と出会う時間も把握しておくとよい。例えば、「開始、20秒後にこの地点で出会う。」ということがわかれば、グレネードをタイミングよく投げ込めば多くの敵を倒すことができる。

音に注意しろ

マップ内を歩くとき、自分の足音に耳を傾けてみてほしい。すると、床の素材によって音が異なることに気づくだろう。絨毯の上、砂利の道、水たまり、ハシゴを登るとき、等々それぞれ、異なる音が出る。マップ内のすべての床の素材を頭に入れておけば、このような音の違いを聞き分けることで、敵の足音から、その位置を特定することが可能になってくる。たとえば、「水の音」が聞こえれば、敵が下水道から攻めてきていることがわかる、などである。また、敵・味方で扱う銃が異なる場合、銃声の方角によっても敵の位置がわかる。AKの音が聞こえれば、テロリストがいると予想できる。ただし、敵が味方の銃を拾う可能性もあるので、味方の銃声だからといって、油断してはならない。逆に、自分が残り1人になってしまった場合、敵の銃を拾って戦うことで、自分の存在を気づかれにくくするという手もある。(変装のような効果が得られる。)

「まとめ」

これまで、個人スキルに関する様々なテクニックをしてきた。FPSゲームにおいて、「スキル」というとどうしても、射撃のスキルのことだと思われがちであるが、本連載でこれまで紹介してきたスキルのほとんどは、戦術に関するスキルである。

射撃のスキルというのは、その人の反射神経や動体視力、パソコンのスペックなどに依るところが大きいため、伸び幅には限界があり、また他人から教わることもできない。

一方、戦術に関するスキルは、頭脳、経験、独創性、など用いるため、誰でも習得することができ、スキルを他人に伝授することも可能である。伸び幅の大きい戦術のスキルをどれだけ高められるかが、強くなるための鍵とも言える。これまでの連載では、以上のような趣旨で戦術のスキルを高める方法を伝授してきた。

また、戦術のスキルが高ければ、たとえ射撃に秀でていなくても、チームを勝利に導くプレイヤーになれるということを伝えてきた。
本連載を通じて、チームを勝たせることの面白さ、貢献することの喜びを感じてもらえれば幸いである。

さて、このようなチームプレイの楽しさを覚えたプレイヤーはより高度な連携を追求したいと思うことであろう。そんなプレイヤーに是非お勧めしたいのが、クランを組むということである。クランとはFPSゲームにおけるチームのことである。高度な連携や練習を通して、他のクランと実力を競い合い、大会制覇を目指すという、より発展的なFPSゲームの楽しみ方である。クラン活動はFPSゲームの醍醐味と言っても過言ではない。

次回からは、クランの設立・運営方法やクランならではの戦術、練習方法などを紹介していきたい。