第5回 連携の基本

 前回は基本的な戦闘スキルについて解説をおこなった。コツを意識しながらプレイすることで、撃ち合いに勝てることが多くなってきたのではないだろうか。今回、さらに「連携」について学ぶことで、よりチームに貢献できるプレイヤーへとステップアップしよう!なお、今回、紹介するテクニックはパブリックサーバーで個々人が実践できるものである。クランで使われるような緻密な連携には及ばないが、まずは個々人が押さえておくべき基本スキルといえる。クラン戦での連携についての紹介は本連載の後半に譲りたいと思う。

「コミュニケーションの基本」

情報伝達の重要性

 自然界において、動物が群れを作る理由の一つとして、警戒に掛ける時間を減らすということが挙げられる。群れのなかで一頭だけが首を上げて周囲を見張っていれば、残りの者は草を食べることに集中できる。見張り役は外敵を発見すると、即座に群れのメンバーに警告を発する。こうすることで、独りで生活するのに比べ、捕食に掛けられる時間は長くなる。一頭の目が「群れの目」として機能しているのである。 FPSゲームにおいても、連携の基本は情報をやり取りすることである。情報を共有することで、他人の目や耳を自分のものとして使うことができる。チームメンバーの複数の目によってマップ内のあらゆる情報をキャッチし、それをチームの勝利のために役立てることができるのだ。

情報伝達のツール、チャットを使いこなす

ラジオチャット

FPSゲームでは情報をやり取りするツールとして、「テキストチャット」「ラジオチャット」「音声(ボイス)チャット」などを備えている。

テキストチャット  

テキストチャットは文字通り、文章を打ち込むことで情報をやり取りするものである。詳細な情報を伝えやすいというメリットがあるが、打ち込むのに時間が掛かるため、隙ができるというデメリットもある。

 ラジオチャット  

ラジオチャットは決められたフレーズを音声として流すことができるものである。フレーズを出すコマンドを覚えれば、素早く連絡が取れるのが魅力であるが、複雑な情報は送りにくい。

音声(ボイス)チャット  

音声(ボイス)チャットはヘッドセットを用いて肉声で会話をするというもの。詳細かつ迅速にコミュニケーションが取れるので最も理想的な情報伝達手段であるが、効果的に使いこなすには慣れが必要だ。  以上の3つの手段のうち、パブリックサーバーでメインとなるのはテキストチャットおよびラジオチャットである。

ラジオチャットで伝えられる情報は極力ラジオチャットを使い、足りない情報をテキストチャットで補うのがベストである。

ラジオチャットの素早さとテキストチャットの自由度の高さが相補い合うかたちとなる。

ラジオチャットの達人になれ

決められたフレーズしか使えないラジオチャットであっても、複数のフレーズを組み合わせることで、複雑な意味を持たせることが可能だ。「Need Backup!」「A Site」と続けて発信すれば、Aサイトで援護を要請していることがわかる。

「Area Clear」「B Site」でBサイトが安全であることを伝えられる。テキストチャットに比べると、手間も掛からないため、隙ができにくい。

より素早くラジオコマンドを呼び出せるようにするにはキー設定に工夫が必要である。DHARMA TACTICAL MOUSEでは割当て可能なキーが豊富なため、戦闘に必要な動作以外にもラジオなど、コミュニケーションのためのキーをマウスに割り当てることができる。

左右のチルトキーやセンタークリックがラジオチャットに最適である。いつでも思い通りのラジオが呼び出せるようにどのキーでどのラジオを出せるか覚えてしまうようにしよう。

自分のいる場所、していることを報告

以上が情報を伝えるツールであるが、問題はそれを使って何を伝えるかである。いかに素早く情報を伝達できるようになっても、肝心の内容が有意義なものでなければチームに貢献することはできない。(肉声での音声チャットの難しさはここにある。無駄なことまでついしゃべってしまい逆効果になるからだ。)まず、基本的なことではあるが、自分のいる場所や現況を報告するのは非常に有意義なことである。

なぜなら、効果的なチーム戦術というのは戦力の「集中」と「分散」うまく使い分けることによって成り立つからだ。例えば、攻撃の際に戦力を一カ所に集中して突破口を作ったり、守備の際に戦力を分散してマップ全域に目が行き届くようにしたりする等である。各自が自分の居場所を報告することによってチームメンバーは戦力の集中や分散をコントロールできるようになる。

敵の情報を知らせる

敵の情報を伝えることが重要であるのは言うまでもないことだが、敵のどのような情報をどう伝えるかが問題である。単に「敵が居るぞ!」とだけ伝えても、それを聞いた味方はどう行動してよいかわからない。敵の情報を伝達する際のポイントは以下の通りである。

  • 敵の場所
  • 敵の属性(スナイパー、C4を持っているetc)
  • 敵の数(単独行動か、団体で攻め込んできたか)
  • 援護が必要か (裏を返せば、1人で対処が可能か)
  • 敵のその後の状態

報告
まず、敵を発見した旨とその場所を伝える。ゲームによってはラジオコマンドを発した際に、プレイヤーがいる場所が表示されるので、場所は省略できるかもしれない。

次に敵の属性のうち重要だと思われるものを伝える。敵がスナイパーである場合はそれも伝えるべきである。一人の凄腕スナイパーによってセクションが崩壊する危険を避けられ味方が不用意に飛び出して狙われないようにするためである。

また、CSなどのように攻撃側のうち1人だけがC4を持つようなボマーの存在があるゲームの場合、C4を持っている特別な敵を発見した場合にはその情報も伝えると有利になる。

敵の数も重要な情報だ。敵の数は援護の必要性を判断するうえでの、判断材料になるからだ。例えば自分が守備についている場合、多数の敵が一斉に攻めてくることがある。(俗にラッシュという。攻撃側の作戦の一つ。)敵が一挙に攻めてきていることを味方に伝えることで、分散していた守備を一カ所に集めることができる。場合によっては援護が必要かどうかを直接伝えてもよいだろう。また、敵のその後の情報も追って連絡するべきである。敵を倒したならばその旨を伝えないと、不必要に援護を集めてしまうことになる。また、敵が進路を変えたならば、その方角を伝えよう。

テキストチャットは重要度が高い順に打つ。チャット中に襲われても途中で送信できるからだ。文章にするとどうしても複雑になってしまうので、具体例を挙げておこう。

  • ラジオ「Enemy Spotted」       テキスト「Sniper 1 Hiroba」
  • ラジオ「Need Backup」「A Site」   テキスト「A Rush」
  • ラジオ 「Enemy Spotted」「A Site」「Need Backup」
  • (その後、敵を倒したならば) ラジオ「A Site」「Area Clear」

味方の位置を把握する

ここまで情報の発信について述べてきたが、味方の情報を受信して活用することも、もちろん重要である。上にも述べたように、戦況に応じて戦力を集中、分散することが勝負のカギとなる。味方の位置を知ることで、マップ内の手薄なポイントや過剰に人が集まっている場所が見えてくる。

守備の場合は、守るべきすべてのポイントにバランスよく人が配置されているかに気を遣い、攻撃の場合は一点に戦力を集中できるかを考える。味方の位置を知るメリットとして、他に挙げられるのは、味方が撃破されたことによって敵の位置や動きが読めるということである。ゲームによっては味方が倒されたことがわかるものがある。この撃破情報と味方の位置を組み合わせることで、味方が倒された地点に敵が居ることが間接的にわかる。味方の位置を知る術としてはチャットの他にもレーダーを見る方法や、味方の銃声がする方角を聞き分けたりする方法がある。ただし、後者は敵と味方で使う銃が異なる場合のみ有効だ。

味方や敵の残り人数に注意する。

そのほかに重要な情報として、味方や敵の残り人数がある。敵や味方の残り人数によって戦況は変化し、取るべき行動も変わってくる。例えば守備側の場合、味方の数が少なくなってきたら、リスクの高い遊撃は避け、キャンプを用いた目標(ボムサイト)の守備に切り替えるのが賢明である。逆に攻撃側でC4を仕掛けた後に、味方が全員倒されてしまい、自分だけになった場合は、急いでC4のもとに戻り、それを守りきらなければならない。

敵の数を知ることも重要である。敵が残り1人だとわかり、なおかつその敵の位置がわかったならば、敵の居ないほうの目標を容易に攻めることができるだろう。多くのゲームでは味方の残り人数はTabキーを押すことでスコアを確認できる。味方のリスト一覧が表示され、双方の生存状態がわかるようになっている。一方、敵の生存状況については簡単にはわからないようになっているゲームが多いが、ゲーム内での撃破情報などを参考にして残り人数を計算できる場合がある。少なくとも味方の残り人数は定期的にチェックする癖をつけておきたい。

「まとめ & 練習のポイント」

以上に述べてきたことはすべて、連携を取るうえで必要となる情報伝達の基本中の基本である。したがって、あまりに当たり前すぎると感じる読者もいることだろう。

しかし、パブリックサーバーにおいて、このような当たり前のことを実践できているプレイヤーは意外と少ない。多くのプレイヤーが個人単位でものを考え、チームの利益を念頭に置いていないように思われる。それぞれがバラバラに戦い、バラバラに倒されていく状況は、はっきり言って無駄でしかない。

よってこれらのスキルを実践すべく今回の練習は以下のように行うと良いだろう、順を追って説明する。

  1. まずはチームの目になり、有益な情報をできるだけ多く報告する。チャットを活用しよう。
  2. チャットを使っている間に隙ができてしまい、倒されてしまうこともあるだろうがそれでも構わない。
  3. 倒されたら、自分が報告した情報がどれだけ味方に活用されているか、視点変更して確認してみよう。
    • 倒される前に敵の位置を報告できただろうか?味方はその情報を元に援護に向かっているだろうか?
    • 自分の位置を報告することで、味方のいる場所はどう変化しているだろうか。戦力が過剰に集中、または不足している場所はあるだろうか?
  4. 情報伝達の効果性の高さを実感する。一つの情報が多くの味方の行動を変えることを知る。
    例: Aサイトに敵が多数来ていることを報告した後、自分は倒されたが、残りの味方が駆けつけてくれたため、無事守りきることができた。
  5. 今度は1から4までをできるだけ倒されないように注意しながら行ってみる。

おそらく、練習を始めて間もないうちは、情報伝達に気を取られるばかりにプレイがおろそかになったり、隙ができたりすることが多いことだろう。プレイがおろそかになる人は、今一度自分のプレイスタイルを振り返ってみてほしい。

クリアリングはできているだろうか?

バースト撃ちを心がけているか?

このようなプレイの基本が崩れてしまっているならば、まだまだ戦闘の練習が不十分だということだ。

クリアリングやバースト撃ちは頭で考えなくても無意識に行えるくらいまで練習する必要がある。プレイは体で行い、頭脳は連携や作戦行動のために残しておくのが理想である。

今回紹介したようなコミュニケーションの基本部分についても、ほぼ無意識的にできるように練習しよう。今回の練習を通じて、チームプレイの心地よさを感じられるようになればしめたものである。ゲームの面白さの質は飛躍的に高まることだろう。 さて、次回はより高度な連携や作戦行動を守備と攻撃側に分けて解説する。これまで述べてきたスキルを土台にしながら、頭脳というリソースをどこに配分していくかが焦点となる。お楽しみに。

 

画像協力
【サドンアタック公式サイト】

ゲームヤロウ株式会社 http://www.gameyarou.jp

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