
第18回 ユーザーコミュニティが果たす役割

前回のプレイトークでは本章の導入として、ひとつの問題提起をした。
「FPSゲームのコミュニティに貢献できるプレイヤーになるためにはどうすればよいか?」である。いよいよ、今回からは、その答えについて考察していこうと思う。
「FPSゲームのコミュニティに貢献できるプレイヤーになるためにはどうすればよいか?」である。いよいよ、今回からは、その答えについて考察していこうと思う。
どうすればコミュニティに貢献できるかを考えるにあたって、まず、理解しなければならないことはFPSゲームにおいてユーザーコミュニティが目指す目的、そして、その目的を達成する上でコミュニティが果たす役割である。これらを理解することは、自分の行動がコミュニティにとって有益かどうかを判断する際の基準となるだろう。
まず、ゲームのユーザーコミュニティはどのような目的で形成されるのかという問いに対して、筆者は「できるだけ多くの人に、より長く、より深くゲームを楽しんでもらう」ことがコミュニティの目指す最終的な目標であると考える。
例えば、「Call of Duty 4 PC版ポータルサイト」では、購入の手引きから始まり、初心者のためのゲーム講座や、クランの設立・運営、大会の情報まで幅広いコンテンツを有しており、購入前のプレイヤーから上級者まで、様々なレベルのプレイヤーのゲーミングライフをサポートするものとなっている。コミュニティを通じて、多くの人が恩恵を受けられるという意味で、理想的な形態であると考える。
このような目的を達成するためにコミュニティが担う役割は多様であるが、今回はそれらのうち、主要な6つの役割をピックアップして、それぞれ解説していくことにする。
新規プレイヤーの獲得
ゲームの面白さを多くの人に伝え、遊び仲間を増やすことはコミュニティの果たす役割の一つである。
もし、あなたのプレイしているゲームが、発売されて間もないゲームだったり、認知度が低いゲームだったりした場合、遊び仲間が少なくて物足りなく感じることがあるかもしれない。
そのような場合、インターネット上のコミュニティサイトは、ゲームの魅力を多くの人に伝え、プレイヤーがゲームを始めるきっかけを作るという重要な役割を果たす。
これは筆者自身の体験談であるが、筆者は、かつて、海外の有志が開発した完全無料のFPSに出会い、その魅力に取り憑かれたことがある。そのゲームが海外発のものであるという事情もあってか、私がゲームを始めた当時、日本でそのゲームをプレイしている人は10人前後しか居ないという状況であった。ゲームサーバーも海外にしか無かったため、海外のサーバーに接続してプレイしていたが、高いPingのせいで苦い思いをする場面が多々あった。
そこで、私は日本での遊び仲間を増やしたいと思い、ゲームのコミュニティサイトを立ち上げ、ゲームサーバーを設置した。以後、徐々にプレイヤー数が増え、今では日本で数千人のプレイヤーがそのゲームをプレイし、クラン戦やイベントなどを活発に行っている。
このように、ゲームのプレイヤー人口自体が少ない場合には、プレイヤーの獲得自体がコミュニティを築くうえでの第一目標となり、コミュニティサイト等による情報発信はそのための手段として、重要な役割を果たすことになる。
また、プレイヤー人口が増えてきた段階においても、そのゲームが廃れてしまわないためには、プレイヤー人口を高く維持しつづけることが重要になってくる。そのためにも、継続的に新規プレイヤーを獲得し続けることは重要である。
ゲームサーバーの提供
ゲームサーバーを設置し、ゲームをプレイする場所を提供するのもコミュニティーの役割である。
もっとも、サドンアタックのように、サーバーが公式側で提供・管理されており、ユーザー側がサーバを用意しなくてもよいゲームもある。
しかし、欧米発の多くのゲームでは有志のサーバー管理者が建てたDedicated Server(パブリックサーバー)によって、遊び場が確保されている。そのようなゲームでは、ゲームをしたいプレイヤーの数に対して、サーバーの数が少ない場合、サーバーに入るために順番待ちが発生してしまい、快適にゲームができなくなる。
また、サーバーとの距離があるとPingが高くなり、ラグが発生してしまう。これらの問題を避けるためには、国内の様々な場所に、多くのサーバーが設置されることが望ましい。
ゲームサーバーが増えることは、巡回マップや設定などの多様性により、ゲームの楽しみ方が広がるということも意味する。
プレイヤー同士の情報交換、情報の共有
ゲームが盛んにプレイされるようになってきたら、各々のプレイヤーが持つそのゲームに関する有益な情報を収集し、体系的に整理することも、コミュニティーの役割といえる。
Wiki形式のコミュニティーサイトを用いれば、各プレイヤーの持つ情報を効率よく収集し、共有知を形成することができる。また、フォーラムはリアルタイムに情報を交換し、議論を交わすのに適している。コミュニティーのIRCではチャットを用いた情報交換も可能だ。
このように、コミュニティ、特にコミュニティサイトは、情報の集まる場所としての機能を持つ。
プレイヤーやクラン同士の交流を促進する
プレイヤー同士がゲーム外で交流する場を提供するのもコミュニティの役割である。
コミュニティサイトやIRCはプレイヤー同士の交流の場となる。プレイヤー人口が増え、クランが組まれるような段階になれば、クランメンバーの募集やクラン戦の申し込み、その他の告知など、クランが活動する際の情報交換の場として果たす役割は大きい。
イベントの開催
プレイヤー人口やクランの数が増加し、コミュニティが成熟してくると、大会やオフ会など、そのゲームをより深く楽しむためのイベントを求める声が高まってくる。
このようなイベントの開催は、コミュニティが主体となって行われる。
定期的に大会が開催されれば、クランは大会優勝という目標に向けて、活動のモチベーションを高く維持することができる。
また、クランに入っていないプレイヤーも大会の観戦を楽しむことで、そのゲームに対する愛着をさらに深めることができるだろう。イベントの開催は、プレイヤーがゲームをより深く、より長い間、楽しむための工夫であり、プレイヤー人口を高く維持しつづけるためには欠かせないものと言える。
ゲームの開発陣への情報のフィードバック
ゲームをより良いものとするためには、プレイヤーからの意見や情報のフィードバックが欠かせない。ゲームのバグや、適正なゲームバランスなどは、多くのプレイヤーによって繰り返しプレイされることで、見つけられていくものである。ゲームのユーザーコミュニティはこのようなゲームを改善するための情報を収集し、それを開発チームへと伝える役割を担う。
以上がFPSゲームのユーザーコミュニティが担う主要な機能・役割である。冒頭で述べたように、これらの役割は「できるだけ多くの人に、より長く、より深くゲームを楽しんでもらう」という最終目標に向けられたものである。各プレイヤーはこれらの役割のうち、自分が関わっていけそうなものについて、独創力を駆使して、できることをやっていくこととなる。
次回からは、具体的に、プレイヤー個人として何ができるかについて考えていくことにしよう。お楽しみに。


























