
第17回 ユーザーコミュニティの意義

これまでのプレイトークでは、まず個人プレイヤーとしての心得を、次にチームプレイヤー、特にクランメンバーとしての心得について解説してきた。
これまでの連載で筆者が特に重点を置いてきたことは「人と人とのつながり」である。遠隔地のプレイヤーと遊べる面白さ、チームメンバーとの連帯感、頭を使った駆け引きの奥深さ。これらはすべて、人と人とのつながりの中に生まれてくるものであり、マルチプレイの醍醐味だと言える。
今回から数回にわたって、プレイトークではFPSゲームのコミュニティをテーマに話を進めていこうと思う。話のテーマは今までのプレイトークよりも大きくなるが、FPSに対する基本的な視点はこれまでの連載と同じである。それでは、まず、これまでの連載の趣旨をおさらいしたうえで、本題へと入っていくことにしよう。
これまでのプレイトークの内容について理解し、実践されてきたプレイヤーの皆さんは、ゲーム自体を楽しむのはもちろんのこと、ゲームを通して人とつながることの面白さを実感されているのではないかと思う。
このような人との出会いやつながりは、ゲームをしている最中だけに限られたものではなく、ゲーム外においても広がりを見せる。
ゲームをしていない時でもインターネットを通じて、ゲームで知り合った仲間とコンタクトを取り合い、情報の交換などができる。ゲームによっては、フレンド登録やコミュニティ管理機能を備えたものもある。
Valve SoftwareのLeft 4 Dead(L4D)のように、フレンドと協力してプレイすることを売りとしているゲームもある。最近は、製品の機能の一部として、このようなユーザー相互のつながりを補助するゲームも増えてきている。

▲Left 4 DEADのゲーム画像
ゲームに内蔵されたフレンド機能やコミュニティ管理機能は、非常に便利なものであるものの、当然のことではあるが、ゲームを購入したユーザーしか利用できないという制限がある。
また、フレンド登録機能は、個々のプレイヤー間での局地的な情報のやりとりには適しているが、多数のプレイヤーによる知恵の集積、いわゆる集合知の形成には適していない。
したがって、ゲームを購入していない人がそのゲームについての情報を収集したり、そのゲームをプレイするユーザーにとって有益な情報を体系的に整理、発信したりするにはゲームの内蔵機能だけでは十分でないところがある。
そこで、重要になってくるのが、ユーザーがWebサイトやIRC、ネットラジオなどの手段を用いて形成するユーザーコミュニティの存在である。
ユーザーコミュニティはユーザーが主体的に形成するところにその特徴がある。以後、プレイトークでは数回にわたって、このようなFPSゲームのユーザーコミュニティをテーマとして扱っていきたい。
とりわけ、1プレイヤーとして、いかにしてコミュニティの形成、発展に貢献していけるかに焦点を当てていこうと思う。
「コミュニティの形成なんて、そんな大げさな!?」と思われるかもしれない。しかし、コミュニティーというのはプレイヤー一人一人によって作り上げられていくものである。
また、基本的な視点はこれまでのプレイトークと何ら変わるところはない。1プレイヤーである「私」がもっとゲームを楽しむためにはどうすれば良いか、という視点である。
想像してみてほしい、あなたのお気に入りのFPSゲームをもっと多くの人が遊ぶようになり、今よりももっとクラン戦が活発になったら?クランがしのぎを削りあう大会が定期的に開催され、プレイヤーが参加・観戦して楽しめるようになったら?
あなたのゲームの楽しみ方はこれまでよりも深いものになるのではないだろうか。
このような楽しみ方は、メーカーや他の誰かが与えてくれるのを待っていても、実現されないものである。メーカーはゲームという製品は与えてくれるが、そのゲームをどのように遊び、楽しむかについてまでは面倒をみてくれないのである。
それはユーザー側が主体的に発掘し、獲得していくものである。逆に言えば、与えられたゲームをどのように遊ぶかによって、そのゲームの楽しみ方は無限に広がる可能性があるということだ。
ユーザーコミュニティが発展すれば、それだけゲームの楽しみ方も多様になってくる。
そして、繰り返しになるが、ユーザーコミュニティはプレイヤー1人1人の手によって作り上げられるものである。あなたが主体性や想像力を発揮し、コミュニティに働きかけていくことで、そのゲームを楽しむための環境はより豊かになっていくことだろう。
このような視点に立ちながら、以後、数回にわたり、プレイトークではユーザーコミュニティと関わっていくうえでの心構えや、コミュニティを形成・発展させるためのアイディアについて考察していきたい。
ゲームコミュニティにまつわる様々な問題について、読者の皆さんも、想像力を働かせながら、ぜひ一緒に考えてみてもらいたい。
いよいよ、次回からは具体的な内容に入っていく。次回は「コミュニティの果たす役割」について考えてみたい。お楽しみに。
























