
第16回 クランの悩みとその解決

クラン活動は楽しいものである。しかし、クラン活動を続けていると、困難に直面する場面もある。今回は、多くのクランが経験するであろうトラブルについて取り上げ、その解決方法や回避方法を考えていこうと思う。
クランのトラブルは対内的なものと対外的なものに分けられる。対内的な問題で、もっとも多くのクランを悩ませるものは、メンバーが集まらないという問題であろう。メンバーが集まらないとクラン戦もできなくなるので、活動の継続が危ぶまれる。対外的な問題は、クランメンバーと他のプレイヤー間でのいざこざや、クランに対する誹謗中傷などが挙げられる。以下ではこのような典型的な問題についてその原因と解決法を探っていく。
メンバーの集まりが悪い
クランが抱える問題の中で、もっとも一般的なものはメンバーが集まらないという問題である。まず、この問題を考えるにあたって、メンバーが集まらなくなる原因が何であるかが重要だ。受験や就職などメンバーの私生活が変化することで時間的にクラン活動に参加できなくなる場合があるが、この場合はメンバーの私生活を尊重すべきであって、クランが立ち入る問題ではない。ここで特に問題として取り上げたいのは、メンバー自身の気持ちがクラン活動から離れてしまう場合である。つまり、クラン活動に参加する時間はあるが、参加したいという気持ちがなくなってしまっているケースである。
このような場合は原因を探り何かしらの手を打つ必要があるだろう。
メンバーの気持ちがクランから離れてしまう原因を挙げてその対処法を考えてみよう。
クラン活動の目標は明確か?中間目標を設定する。
クランの活動の目標が明確であること、そして、その目標をメンバー全員で共有していることが重要である。クラン活動の目標が曖昧であると、活動がダラダラとした締まりのないものになってしまいメンバーも活動に熱意や魅力を感じられなくなってしまう。大会制覇などの最終的な目標を共有することはもちろん、中間ステップとしての練習試合や、クラン内での練習においても、達成すべきゴールを設定して皆でそれを確認するのがよい。
中間目標を設定する際のポイントは、現実的にみて達成可能な「小さな目標」を立てることである。あまりに大きな目標を立ててしまうと、プレッシャーを感じてしまい逃げ出したくなるのが人の心理である。
たとえば、新設したばかりのクランが練習試合に臨む場合は、必ずしも「勝利」を目標にしなくてもよいと考える。勝利以外にも、「3ラウンド以上勝つこと」や「音声チャットの報告を活発にすること」など達成できそうな小さな目標を立てることは可能だ。重要なのはこのような小さなステップを確実に達成していくことだ。目標を達成したときの達成感によってクラン活動をより楽しく感じられるはずだ。
クランリーダーは、クランの現在のポジションをよく見極めた上で、小刻みに目標設定をして、メンバーを鼓舞していくと良いだろう。
練習はメリハリをつけて
前項と重なる部分があるが、クラン内でする練習は目的をはっきりさせた上で、時間を区切ってするのがよい。グレネードを投げる練習などは、単調になりがちであるので、ダラダラと何時間も続けていると気が滅入ってしまう。このような練習は20分や30分と時間を決めて練習し、その後に練習の成果を試すために実戦形式の練習試合をするのがよい。練習のあとにクラン戦を持ってくることで、練習にも気合いが入り、またクラン戦の目的も明確になる。練習と実戦のバランスをうまく取ることが単調な練習の効果性を高めるポイントである。
メンバーへのフォロー体制
私生活の都合等で、たまにしかクラン活動に参加できないメンバーもいるがこのようなメンバーへの配慮はできているだろうか。
たまにしか参加出来ないメンバーはそのことに負い目を感じている場合も多い。そのようなメンバーに対して、冷たくあたったり、責めたりすることは、そのメンバーをクラン活動からいっそう遠ざけてしまうことになる。活動頻度の低いメンバーが気兼ねなく活動に参加できる雰囲気作りがまず肝心である。また、作戦の内容などをクランサイトのメンバーページなどにまとめておけば、他のメンバーとの差を埋めやすくなる。試合中の役割についても、シンプルな役割をこなしてもらうことで練習の不足による支障を和らげることができる。
時には息抜きも必要
本命のFPSゲームでは大会制覇などを追求しているうちに、純粋な楽しさを忘れてしまうことがある。勝ち負けを気にするあまり、どうしても重く考えてしまい、時には義務感でゲームをしている自分に気づくことさえある。練習や試合がうまくいかないとクラン内には重苦しい空気が流れる・・・。
クランがこのような雰囲気になっている場合は思い切って、息抜きをしてみると良いかもしれない。たとえば、他のFPSゲームを皆で遊んでみたり(最近は無料のFPSゲームも多数登場している)、オンラインのカードゲームをしてみたりである。このような「遊び」の時間を取ることは、皆で遊ぶことの楽しさを再確認させてくれるし、メンバー同士の絆をより深めてくれる。他のゲームを勝ち負けを気にせずにプレイすることで、新しい作戦のアイディアが浮かんでくることもある。
ホームページの荒らし
クランサイトに掲示板を設置している場合、クランの誹謗中傷や荒らしの被害に遭うことがある。根拠のない誹謗中傷は、削除したり、掲示板自体にユーザー登録機能やコメント承認機能をつけたりすることで回避できる。一方、クランメンバーの問題行動に対する苦情などは、事実関係を調査して、クランメンバー側に非があれば、誠実に謝罪するのが適切な対応だと思われる。このような苦情を出さないのが理想ではあるが、万が一メンバーが問題を起こしてしまった場合はクランとして事後の迅速かつ誠実な対応を心がけよう。
ゲームのコミュニティというのは狭いもので、クランの悪い評判はたちどころに広まる。クランメンバーのモラルやマナーには気を遣いたいものである。
野鯖でのトラブル
メンバーの問題行動や発言
野鯖(パブリック・サーバー)でのクランメンバーの言動は、クランの評判に直結する。クランタグを付けたプレイヤーの場合、プレイヤー個人としてよりも、「○○のクランの人」というように見られることが多いことを各メンバーが自覚しておく必要がある。野鯖では模範的なプレイヤーとしての行動が期待される。チート行為やゲームと関係のない過度のおしゃべり、一方のチームにクランメンバーが集まること、などは避けるべきである。
騙り(なりすまし)プレイヤーが居る場合
野鯖にクランのクランタグを付けた偽のプレイヤーが出現する場合がある。これはクランタグの意味を知らない初心者か、あるいは、クランメンバーになりすまして迷惑行為等をする悪意のプレイヤーである。前者の場合は注意をすれば済む話であるが、後者は厄介である。クランサイトを持っていれば、偽物のプレイヤーが居ることを告知するなどして、注意を促したうえで、情報提供を呼びかけると良いだろう。具体的に打てる手は少ないが、サーバー管理者の好意でBAN(アクセス禁止)などをしてもらえる場合があるので、問い合わせてみるのも手である。
この章のまとめ
これまで、10回に渡ってクランの運営やクラン戦のコツについてお伝えしてきた。クラン活動のすべてを通じて、重要なことは「心の動き」に注意を向けることだ。クランの運営に関して言えば、クランメンバーや他のプレイヤーの心情に配慮することで多くの問題が回避できるだろう。また、クラン戦の作戦についても、相手クランの心の動きに気を配ることで、適切な作戦を選択できる。型を決めて練習していると、つい実戦においても型にはまったものになりがちであるが、常に相手が居ることを意識し、臨機応変な駆け引きをすることが肝心である。
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