第15回 クラン戦術 コミュニケーション編 ブリーフィングと反省会

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「今回はクラン戦のコミュニケーションの中でも、特に試合前と試合後にフォーカスを当ててみたいと思う。それぞれ、試合中の報告とは違ったコミュニケーションの取り方になる。
すなわち、試合前のブリーフィングは数秒という限られた時間の中でのコミュニケーションであり、「効率性」がポイントとなってくる。一方、クラン戦終了後の反省会は、時間や効率よりも、「内容面での充実」を重視すべきである。これら、二つのシーンでのコミュニケーションは作戦の伝達・共有に関わっているので、作戦行動の精度を高めるうえで重要になってくる。基本的な状況報告に慣れてきたクランは、次のステップとして、意識的にこれらのコミュニケーションの練習をしていくとよいだろう。以下ではそれぞれの場面において気をつけるべきポイントを解説していく。」

試合開始前のブリーフィング

ブリーフィングとは、ラウンド開始前に作戦概要について簡潔に説明することである。多くのFPSゲームではそれぞれのラウンドの間に一定のウォームアップタイムが設けられているので、この時間を使って行う。一般にウォームアップタイムは10秒前後と短いことが多いので、いかに効率よく行えるかがブリーフィングのポイントとなる。

ブリーフィングのやり方

厳しい時間的制約の中で、スムーズにブリーフィングを行うためには、いくらかのコツが必要である。

まず、リーダー(指揮官)が作戦概要、人員の配置、役割分担について一人で説明をする。メンバーはウォームアップが始まったら、雑談などを止めて、リーダーの声に耳を傾けるようにする。リーダーのみが喋る理由は、複数人の声が被ることによる作戦の聞き漏らしを避けるためである。また、時間的にも複数人で一から相談をしている余裕はない。リーダーが一通りの説明を終えたあと、作戦に意見・異議があるメンバーが順番に発言し、作戦の修正等を行っていく。このような方法をとることで、制限時間内に何かしらの作戦を提示することができる。皆で相談し合っているうちに配置などが全く決まらずに試合が始まってしまうなどという最悪の事態は避けられる。

守備の際に決めるべきこと

  • 守備陣形(誰がどこを守るか)
  • 解除キットを持つ人やグレネードを持つ人を決める(誰が何を持つか)
  • 牽制グレネード

守備陣形は、基本陣形を一度決めてしまえば、試合中は同じ人が同じ場所を守ることとなる。

指揮官は誰がどのポジションを得意とするかや、各ポジションの難易度、メンバー個人のプレイスタイルや力量、音声チャット使用の可否などを総合的に判断して守備配置を決定する。各メンバーは自分の配置はもちろん、メンバー全員の守備配置を覚えるようにする。

同じ試合中は役割分担を変えないのが原則である。同じ人が同じ場所を数ラウンドに渡って守り続けることで、そのポイントにおける相手の攻撃のバリエーションを知ることができるからである。また、ラウンドごとに防衛ラインを上げたり下げたりの駆け引きがあるが、これも各ポジションのメンバーが、数ラウンドに渡る、長期的な戦略として行う。

こうして得た、各ポジションの相手クランの攻撃の癖は、クラン戦終了後、ミーティングを行って共有しておくと良いだろう。

逆に、クラン戦単位で言えば、定期的に守備配置を変えるのは有効である。クランメンバー全員がすべての守備ポイントを経験することで、全体的な視野をもって守備を行えるようになるからである。第10回、11回の記事にも書いたように、守備を行う際には、自分の行動が他の守備メンバーにどのような影響を与えるかを知っておく必要がある。いつも同じ場所を守っていては見えてこないものも、他の守備ポイントを経験することでわかるようになる。

解除キットを持つかどうか、牽制グレネードを誰がいつ投げるかなどはラウンドごとに作戦として適宜、決定する。

牽制グレネードとは、開始直後にエンカウンターポイントにグレネードを投げ込むことである。こうすることによって、相手のラッシュ攻撃を封じる意味がある。また、実際に相手を倒せなかったとしても、牽制グレネードが投げられることが分かれば、攻撃チームはラッシュを敬遠するようなる。

逆に、1、2ラウンドで牽制グレネードを使わずに相手を油断させておいて、3ラウンド目で無警戒にエンカウンターポイントに飛び込んでくる敵を倒すという作戦もある。(第11回の記事を参照)

攻撃の際に決めるべきこと

  • 作戦概要と人員配置(誰がどこをどのように攻めるか)
  • C4を持つ人(一人だけが持つゲームの場合)

攻撃の場合は守備と違って、ラウンドごとに作戦が大きく変わる。攻撃の作戦は複雑な場合もあるが、複雑な作戦はウォームアップタイムでは詳細に説明しきれないので、事前の練習による共通理解が必要となる。予め、作戦名を決めておき、作戦で必要な複数の役割に名前をつけておく、ウォームアップタイムは作戦名と各メンバーの役割名を告げるのが精一杯であろう。時間に余裕があるなら、作戦の趣旨、すなわち、なぜその作戦に勝算があるのかを説明するとよい。「どうやって勝つつもりなのか」が見えてこない指揮は頼りないものとなり、メンバーの士気を下げる。指揮官は勝利への展望を明確に示さなければならない。

また、ラウンドごとの作戦の運び方も重要である。ラウンドごとに相手チームの指揮官の心理を読みながら作戦を選ぶ必要がある。

たとえば、敵の守備の基本陣形を探るために初回のラウンドで、メンバーを広く展開して情報を集め、2ラウンド目以降では、その情報をもとに作戦を決定するのも一つの手だ。

また、特に自信のある作戦を持っているなら、1ラウンド目からそれを使うのも良い。1ラウンド目に勝つことは、自軍の士気を高め、相手の精神的余裕を奪うという重要な意味を持つ。攻撃チームにとって、勢いや士気というのは非常に重要な要素だ。怖じ気づくことなく勝機を掴むためには、攻めるべき時に勢いよく攻めなければならない。士気への影響を考えるなら、勝算の低い作戦を初回ラウンドに持ってくるのはおすすめできない。

このように、攻撃における作戦は動的で定型性がないのが特徴であるが、普段から作戦練習をして基本となる作戦のバリエーションを増やしておけば、ある作戦を原型として、その場で臨機応変に修正を加えるのは容易である。

試合終了後の反省会

クラン戦が終わった後は、そのクラン戦で得た経験を次の試合につなげるためにも、反省会を行うことをお勧めする。反省会では、次のようなことを話し合うとよいだろう。

  • 自分たちの作戦の良かった点・悪かった点
  • 相手クランの守備の配置
  • 相手クランの攻撃のパターンや印象的なグレネードの使い方
  • その他、試合全般で良かった点・悪かった点(声が出せていたか等)

注意したいのは、試合に負けてしまった時に、落ち込んでしまったり感情的になってしまったりしないことだ。冷静に分析的に、自分たちの試合を振り返るようにしたい。

また、他のメンバーの射撃力の低さなど、個人スキルを責めるのは建設的ではない。個人スキルの問題は、各自が自覚していると思うので、改めて他の人が指摘する必要はないし、個人のバッシングをしてしまうと、負けたことに対して責任のなすりあいになるので、チームでミーティングをする意味が無くなってしまう。反省会では、あくまで、チームとしての連携にフォーカスを当てて話し合うのが良いだろう。

反省会の結果はクランサイトのメンバーページなどにまとめておくと良い。各クランの作戦の特徴などを覚え書きとして書き留めておけば、次回以降、そのクランと対戦するときに参考になる。

今回の講義は以上である。前々回から3回に渡って、コミュニケーションのポイントについて解説してきたが、これらは至極当たり前の基本的なことにすぎないと感じられた方も多いだろう。しかし、クラン戦においてメンバーがやられたり、チームが負けたりした原因を突き詰めてみると、このような当たり前のコミュニケーションができていないことに気づく場面が多い。

声を出すことは、士気を高めることにもつながる、経験上、クラン戦で皆が活発に声を出している時は勝率も高い。日頃の練習やクラン戦において積極的に声を出すように心がけたいものである。

次回は、クラン活動をしていく上でぶつかるであろう色々なトラブルについて、その回避法や対処法を解説していく。


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