第11回 クラン戦術「守備」応用編

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前回はクラン戦の守備における基本的な考え方をお伝えした。今回は、前回も使用した仮想MAP01を使いながら、守備陣形の組み立て方と守備陣形のシフトの仕方を解説する。

守備陣形のシフトとは、味方がやられたり、敵が1点突破を狙ってきたりした場合に、戦況に応じて陣形を変化させることである。

基本陣形の組み立て方

1.まずはエンカウンターポイントを調べる

まず、作戦立案に欠かせないのがエンカウンターポイントの調査である。両陣営が最速で前進した場合に、それぞれの経路について、「いつ」、「どこで」敵と出会うのかを調べる。

この調査は最低2人のメンバーがいればできる。MAP01では以下のようになった。水色のラインが出会う場所、数値は出会う時刻である。

図1

2. 基本陣形を考える

次に、初期配置を考える。先ほど調べたエンカウンターポイントよりも手前が敵と交戦せずに安全に配置につける場所となる。したがって、水色のラインよりも手前に人員を配置することになるが、最初からあまりに引き下がっていると、それ以上退路がなくなるため、交戦しづらくなる。
よって、エンカウンターポイントに極力近づきつつも、安全に配置につけるポイントが基本陣形の候補となる。
さらに留意すべきことは、ボムサイトまでのすべての経路を漏れなく監視できているか、および、個々人の負担のバランスは適切か、である。経路に漏れがないかは、マップの俯瞰図を用意すればわかりやすい。負担のバランスについては、全員が前方のみに注意を向ければ足りるような配置が理想だ。

以上の点を考慮し、基本陣形は以下の通りになった。

図2

基本陣形に変化をつける

1. キャンプ位置のバリエーション

それぞれのメンバーは自分に与えられた役割を果たせる範囲内で自由にキャンプ位置を変えることができる。敵の予測を裏切るという意味でも、ラウンドごとに守備位置を変えることは重要である。
1人敵を倒すごとにキャンプ位置を変えるのもアリだ。クラン戦では敵チームも音声チャットを使っているため、敵を倒せば、その敵は守備位置を味方に報告するはずである。キャンプ位置を変えることで、その情報を逆手に取れる。

図3

ここで注意したいのが、自分が動いてよい範囲を知ることである。自分が動くことによって経路に漏れが出る場合は、他のメンバーに知らせた上で全体の陣形を変形する必要がある。図4では守備3が単独で下がりすぎたため、Aへの経路に隙ができてしまっている。

守備2に報告を入れて、協力を要請しておけば、隙を埋めることができたはずである。

図4

2. 時は前に出てみる。ラウンドごとの駆け引き

ラウンドによっては、思い切って防衛ラインを上げてみるのも効果的だ。たとえば、最初の2ラウンドを「引き」で守った場合、敵は倉庫入口は安全だと油断して、無警戒に進入してくるようになる。相手を油断させたところに、3ラウンド目で開始直後に倉庫入口にグレネードを投げ込めば、多くの敵を倒すことができるかもしれない。

図5

その次の4ラウンド目には、敵側も牽制でグレネードを投げてくる可能性が高くなるため、また引いて守るようにする。このように、ラウンドごとに相手チームの心理を読みながら防衛ラインを調整するのも戦略である。

陣形のシフトの仕方を考える

基本陣形がいかに洗練されたものであっても、相手のラッシュ攻撃や射撃力の差によって、味方がやられてしまうことはある。
味方がやられたときに生じる隙を素早く埋められるかどうかが、勝敗を分かつカギだといっても過言ではない。以下では様々な状況を想定して陣形のシフトをシミュレートしてみることにしよう。

敵がAに侵攻してくる場合のシフト

1. 序盤に倉庫の戦闘で守備3がやられた場合

図6

  • 守備2が守備3の役割を引き継ぎ
  • 守備1はAのカバーにすぐに回れるようにAに近い位置から倉庫の出口を監視する

守備3がやられたことで、敵がAに攻め込む可能性が高まった。

2. 1に引き続き、敵がA方面に侵攻してきた

図7

1.に引き続いて、多数の敵がAに侵攻してくるのが確認された。

  • 守備2はある程度交戦したら奥側の通路へ引き下がる
  • 守備1は2を補佐する形で手前の通路を監視
  • 守備4は倉庫の出口を監視
  • 守備5はAに近い位置から広場全体を監視

守備2が引き下がることで、木箱のある廊下に敵を誘い込み、守備1と2人体制でAを守ることができる。すべての敵がA付近に固まっているようなら、守備4と5も早めにA付近に移動し、すぐにAのカバーに回れるようにしておく。守備2がやられた場合は即座に1を2の方向に向かせ、4が内側の廊下の守備にあたる。

敵がBへ侵攻してくる場合のシフト

1. 守備4がやられた場合

守備4がやられると以下のような陣形となる

図8

ここで敵に広場をとられてしまうと、以下のような状態となりBの守備は困難となる。敵にBを制圧されると、それを取り返す必要があるため、攻守が逆転する形となる。

図9

このような最悪の状況を避けるためには、守備4が交戦している段階で、彼がやられる可能性を考慮して、陣形を以下のようにシフトしておく。守備1と5のキャンプ位置は変わっているものの役割は変わっていない。

図10

こうしておけば、守備4がやられた場合も、以下の陣形で両サイトを漏れなく守ることができる。

図11

防衛ラインは常に、先手で引き直すことが重要だ。そのためには、各員の戦闘状況を音声チャットで報告しあいながら、先の状況を予測して、自分のキャンプ位置を微妙に変えていくことが必要となる。

各メンバーは独立してそれぞれの持ち場を守るという個人としての視点と同時に、チームが一つの生き物であるかのような、有機的一体的なチームとしての視点も併せ持つ必要がある。

特にクランリーダーは、チームとしての視点を常に頭の中に持っておき、隙がある場合には適宜メンバーに移動の指示などを出せるようでなければならない。ゲームによってはレーダーに味方の位置が表示されるが、レーダーが無いゲームであっても、頭の中のレーダー(俯瞰図)で敵・味方の位置を常に把握しておくのがリーダーの役目だと言える。

今回の講義は以上である。解説に具体性を持たせるため、仮想のマップを用いて説明してきたが、基本的な考え方は、皆さんがプレイしているそれぞれのゲームでも転用が可能であるはずだ。クラン内でミーティングをしながら、それぞれのマップについて守備の作戦を練ってみて欲しい。

次回はクラン戦術における攻撃の基本について解説する。お楽しみに!


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