松井先生のクランお悩み相談室:第2回「自分のクランを作ってみたい!!」

オンラインゲームにおけるクラン運営に関連するさまざまな悩みに答えていく「松井先生のクランお悩み相談室」。
World Cyber Games日本予選プロデュースをはじめ、様々なe-sportsイベントに携わり、自身もオンラインゲームのクランを運営している株式会社グルーブシンクの松井悠が皆さんのご相談にお答えしていきます。

自分でクランを作ってみたい!!

前回は、クランとは何か、についてお話をしました。第二回目となる今回は、「自分でクランを作ってみたい」と思ったあなたへのアドバイスをお届けします。

まず、クランの作り方についてですが、実は「クランを作ろう」と思ったら、もうそこでクランは成立したも同然です。クランを作るにあたって、誰かの許可を得る必要はありませんし、これといった資格も必要ありません。

ただ、ゲームによっては、クランシステムが実装されていて、クランメンバーへの追加サービスが利用されているものもあります。クランサービスを受けるにはゲーム内ポイントや、特定のアイテムを必要とするものがあります。詳しくは、自分がプレイしているゲームのマニュアルをチェックしてください。

もちろん、クランはプレイヤーが集まっていないと成立しませんから、一人だけでは意味がありませんよね(たまに一人クランがあったりしますが、これは特殊なケースでしょう)。まずは、気心のしれた2~3人の人と集まってクランを立ち上げるところから始めてみましょう。

一つだけ、クランを作りたい、という皆さんの心にとどめて欲しいことがあります。「クランは人間関係の集合体」ということ。ゲームの中だから、といって人間関係をおろそかにしていては、クランはすぐに崩壊してしまいますが、逆に長続きしているクランでは、リーダーやコアメンバーがそういったところに気を遣っていることが多く見受けられます。

クランを作る、その前に!!

クランを作る前に、最初に決めておくと、のちのち、もめ事が起こりにくいことがいくつかあります。

1. クランの目的

前回もお話をしましたが、クランには様々な目的があります。世界最強を目指すのか、キャラクターレベルを上げるのか、学校や職場のグループの延長上なのか、とりあえず仲良く遊ぶのが目的なのか。この中のどれが正しくて、どれが正しくない、ということはありません。まずは、初期メンバーとお話をして、何を目指すのかを考えておきましょう。

もちろん、これは「クラン設立当初の目的」としておくことを忘れずに。クランが成立してから、メンバーの変動や時間が経つにつれて目的が少しずつ変わっていくこともあるでしょう。ただし、クランの目的を大きく変えるようなことがある時は、メンバーに相談をしておくことが大事です。目的がころころと変わってしまうと、クランメンバーが定着せず、気がついたら初期メンバーもいなくなっていた、なんてことはよくある話です。

たとえば、最初は「みんなで楽しく遊ぶ」のが目的だったクランが、突然「今日からこのクランは世界最強を目指します!」なんていっても、みんな付いてこられないですよね。クランの目的に伴って、クランの雰囲気も大きく変わります。そこは気をつけておきましょう。

2. リーダー

クランリーダーは、クランの方針や、メンバーの加入といった実務的な方針の決定を行う人のこと。ゲームが上手い人、あるいはゲーム内のレベルが高い人がなったりすることもありますが、ほとんどの場合、言い出しっぺがそのままリーダーを務めることが多いですね。

クランリーダーは、クランメンバーとのやりとりや、他クランとの折衝、あるいはオフ会の企画など、ゲームスキルだけではなく、いろいろなソーシャルスキルも求められます。海外での研究事例によると、クランリーダーを務めた経験のある人は、実社会でのビジネスでも活躍する傾向が高い、というお話も。もちろん、人間関係を構築していく、扇の要となるわけですから、いいこと、悪いこと、いろいろな経験をすることになるでしょう。もし、クラン運営をしている際に困難にぶちあたってしまったら、投げ出さずに、こちらの相談室に連絡してみてくださいね。

3. メンバー

クランを立ち上げる際には、一緒にプレイをするクランメンバーも同時に何人か集めておくことをおすすめします。まずは、自分がどういうクランを作りたいのか、そして目標はどういうものを考えているのか、を伝え「一緒にやろう」と声をかけてみましょう。そこで、何人か集まれば、晴れてクラン成立です。クラン運営になれている人ならば、いきなり数十人単位のメンバーでも問題なく進められるでしょうが、なれるまではプレイする時間や曜日が比較的近く、すぐに連絡の取れる3人~5人程度からクランをスタートさせて、徐々に人が増やしていくと、トラブルが起きにくいでしょう。

4. クラン名

クランを作るに当たって、必要なのが「クラン名」です。その中で、注意が必要なのが、「同じゲーム内で他と同じクラン名を使わないこと」。これは、ルールというよりも、マナーに近いですね。また、他のクラン名と似たような名前も避けた方が無用のトラブルを引き起こすこともなくなるでしょう。

有名なクラン名としては、Couter Strikeの「fnatic」、「SK Gaming」や「M.Y.M(Meet Your Makers)」、「NiP(Ninja in Pajamas)」などがあります。日本でのクランネームは、英語や、日本語などを使用してつけられることが多いですが、ほとんどの場合、正式なクラン名とは別に、略称をつけているところが多いですね。たとえば、私のクランは「teamStrayDogs」ですが、略称は「[SD]」にしています。

クランネームは、クランの目的とは違って、参加メンバーや他のプレイヤーさんが混乱してしまうこともあるので、あまりころころと変えない方がいいでしょう。また、他社に不快感を与える名前にしない、商標を侵害しないといった問題が起きそうにない名前を選んでおくのも無難ですね。クランシステムを提供しているゲームによっては、この手の名前が認可されないこともありますのでお気をつけて。

クランが出来たら機能面を充実!!

クランが出来たら何をするか、ですが、まずは「みんなとコミュニケーションしやすい環境」を作ることを優先させましょう。

繰り返しになりますが、クランは人間関係の集合体になります。そして、クランメンバーもそれぞれゲーム外の生活を持っている、ということを忘れないようにしましょう。クランリーダーの時間にあわせてみんながログインできるわけではないし、みんなにもそれぞれ都合があります。

それを理解した上で、いかにクランライフを満喫できるようにするのか、それもクランリーダーの務め。とはいっても、あまり肩に力を入れすぎないようにしてくださいね。クランはそもそも「もっとゲームを楽しむため」のものなのですから。

さて、まずはクランエンブレム(部隊章)から。これも、ゲームによっては、ゲーム内で使用できるクランのエンブレムを作れる機能が用意されているものもありますから、それを使用するのもいいでしょう。クランネームをタイポグラフィのようにあしらったり、好きな動物などを使ってデザインしている人も多いようです。

次は、クランメンバーがアクセスできるインターネットコミュニティを用意すること。ゲーム側で用意されているものを使用するのもアリですが、ゲームにアクセスできないときも使用することを考えると、Webサービスを使用するのがいいでしょう。
無料で利用できるものとしては、SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)の「mixi」や「モバゲータウン」のほか、「Google Group」などがあります。メンバーのスケジュールの管理や、メーリングリスト機能、掲示板の機能があればだいたいのクラン活動はカバーできます。
これらのインターネットコミュニティのほとんどは、クランメンバーのみが閲覧、書き込みできる設定にされていることが多いですね。ただし、身内だけにしか見られないサイトだと思って、他のプレイヤーやクランの悪口を書いたり、ゲームの利用規約に違反するようなことをしないように!

このほかに、外部との交流を図るのであれば、ブログやWebサイトを作ってみるのもいいでしょう。ブログメンバーが誰でも更新できるように解放したブログを作るのが最近のはやりのようです。

また、明文化する必要はないと思いますが、クランに参加したい!という人に対して、どういった基準を作るのかもある程度初期メンバーの中で決めておくといいでしょう。たとえば、「誰でもOK」にするのか、「メンバーの紹介が必要」なのか、あるいは「最低レベルが○○以上」といったものにするのか、クランの方向性によってここは大きく変わってくるところです。

クランが出来てから最初のうちにやっておくといいポイントはこんなところでしょうか。次回以降は、実際に皆さんからいただいたお悩みについて、お答えしていこうと思います。皆さんのメール、お待ちしています。

松井悠(まつい・ゆう)
株式会社グルーブシンク代表取締役。某対戦格闘ゲーム日本一になった後、ゲームイベントやクラブイベントの運営を多数行い、現在は世界最大のe-sportsイベントWorld Cyber Gamesや、International E-sports Festivalの日本プロデューサーを務める。日本におけるe-sportsの可能性を模索するため、IGDA日本デジタルゲーム競技研究会を発足した。なお、自身も2003年より、オンラインゲームクラン「teamStrayDogs」を立ち上げ、現在も様々なゲームで活動を行っている。

■野良犬雑記
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■IGDA日本デジタルゲーム競技研究会
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