
クランお悩み相談室:第15回2通まとめてお答えします「クランメンバーとの関係に悩んでいます……」

オンラインゲームにおけるクラン運営に関連するさまざまな悩みに答えていく「松井先生のクランお悩み相談室」。
様々なe-sportsイベントに携わり、自身もオンラインゲームのクランを運営している株式会社グルーブシンクの松井悠が皆さんのご相談にお答えしていきます。第15回目は、「クランメンバーとの関係」というお悩みについて。今回は2つのお悩みにお答えしていきます。
カルテ1: そりの合わないメンバーとの距離をどうとるか? それが問題です。

まずは、クランメンバーさんのお悩みからです。
クランのメンバーが増えてくると、いろいろな人が集まってきますよね。そうすると、相性が悪い人というのも、必ず出てくるものです。
これはゲームの世界に限った話ではなく、3人以上の人が集まったときに、AさんとBさんは仲が良く、BさんとCさんも仲が良いのですが、AさんとCさんはあんまり仲が良くない、ということはよくあることですね。
他のメンバーたちに気を遣わせないように、それなりにコミュニケーションを取っていくのが理想ではありますが、そもそも「生理的に合わない!」とか、「(チャットやボイスチャットの)口調が気に入らない!」とか、そういうレベルになると、もうどうしようもないわけですから、ここはもう割り切って、ウマの合う人たちとのみコミュニケーションをする、というスタイルでやるしかないでしょう。ですが、あまりにも露骨に避けたりすると、他のメンバーにも気を遣わせてしまうことにもなります。
理想は、みんなで仲良くゲームをしたいところではありますが、べろろさんがムリをしてゲームが楽しくなくなってしまうのも困りどころです。気心のしれたクランメンバーにそれとなく「あの人とはそりが合わないみたいなんだよね……」と相談してみて、仲立ちを頼んでみる、というのもアリですね。ちなみにここで、間違ってもダイレクトに「あの人嫌いなんだよね!」なんて言わないようにしてくださいね。相談されたメンバーも困ってしまいますし、クラン内に余計な火種をばらまいてしまうことにもなりかねません。
私の場合は、一緒にゲームを遊んでいる仲間たちを見ていて「あの人と、あの人はそりがあわないみたいだなぁ」と気がつくと、なるべく別々のセッションになるようにゲームをするようにしていました。無理矢理お互いを仲良くさせようとしても、あまりうまくいくこともないですし、ここら辺はちょっと気をつかうところです。
とはいっても、実際にオフ会で顔を合わせてみたり、ちょっと二人で話す機会があると、意外と仲良くなったりすることもあります。かたくなに「あいつとは合わない」と思いこまずに、たまには違った距離でコミュニケーションを取ってみるのも悪くないですよ。せっかく、何かの縁で一緒にゲームを遊ぶことになったわけですから、ね。
もちろん、違った距離でコミュニケーションを取ってみたら、仲が良かったのにダメになってしまったということもありますけれども、それもまた人間関係の面白さ、ということで……。
回答1

質問2: クランマスターはどこまでクランの面倒を見ればいいの?

こちらは、クランリーダーさんからのお悩みです。
クランをやっていると、いろいろな問題が起きることがありますが、ここまで重なってくると、なかなかつらいものがありますよね……。
クラン活動が楽しいものであるべき、というのは何度もお話している通りですが、もし相談者さんがこれからもクランを続けたい、と思った場合は、一度、メンバーと腹を割って話してみるのも一つの手です。まずは、自分が思っていることや、クラン活動をこれから行っていく上でどういう風にゲームを遊んでいきたいかを冷静にリストアップして、みんなにぶつけてみましょう。ただし、その際は特定の人やグループを非難するような言い方にならないように気をつけてくださいね。あくまでも「クランをもっと楽しくしていくための建設的な議論」をするための準備だということを肝に銘じておきましょう。相談も、言い方一つで受け取る側にプレッシャーをかけてしまうことになりかねませんから。
そして、もし「このまま続けるのはつらすぎる」というのであれば、現時点でクランリーダーさんが考える「まともに遊べる人たち」を誘って、新たなクランを立ち上げるのも一つのやり方でしょう。その際も全員のメンバーに「これこれこういう理由でクランをやめます」というと角が立ちそうであれば、そのまま自然消滅をしてしまってもいいかもしれませんね。ただし、今後もゲームの中で関係を持続したい人たちがいる場合は、あらかじめ相談をしてから行動に移した方がいいでしょう。仲が良い、と思っていた人が突然いなくなってしまうのは、現実でもゲームの世界でも寂しいものですから。
それから、相談者さんがクランリーダーであることに疲れてしまったのならば、他のクランに移籍するのも一つの方法です。もし、他のクランに入るのであれば、今のつらい気持ちを忘れずに、新しいクランリーダーさんをサポートしてあげられるようになってくださいね。
実際に、私もガチガチにクラン活動をやっていたときは、いろいろなトラブルがありました。ただ、そのほとんどが今となっては笑い話で済んでしまっているものがほとんどです。実際に渦中にいるときはなかなか視点を変えることができないとは思いますが(私もそうでした)、時間が経てば、人間関係ですから、自然となるようになる、というところもあります。人をまとめていく、人間関係の中心に立つのはなかなか難しいもの。ですが、その経験は今後の人生でも、なにかと役に立つはずです。この連載でも、よく書いていることですが、せっかく何かの縁で一緒にゲームを遊ぶことになったわけですから、もう少し踏ん張ってみるのもいいかもしれません。もちろん、あまりにも無理をしすぎて、ゲームをやる気力が起きなくなってしまうのも考え物ですが……。
これを読んでいる皆さんも、クランリーダーに好き勝手にオーダーばかり出して負荷をかけすぎていないか、一度考えてみてください。そして、たまにはリーダーさんにねぎらいの言葉をかけてあげてください。リーダーさんは、みんなが快適に遊べるように、いつも心を砕いてくれているはずですから。
回答2

プロフィール
松井悠(まつい・ゆう)
株式会社グルーブシンク代表取締役。某対戦格闘ゲームで日本一になった後、ゲームイベントやクラブイベントの運営を多数行い、世界最大のe-sportsイベントWorld Cyber Gamesや、International E-sports Festivalの日本プロデューサーを務めた。日本におけるe-sportsの可能性を模索するため、IGDA日本デジタルゲーム競技研究会を発足。なお、自身も2003年より、オンラインゲームクラン「teamStrayDogs」を立ち上げ、現在も様々なゲームで活動を行っている。近著に「デジタルゲームの教科書」。
相変わらず遊んでいるタイトルは「スーパーストリートファイターIV」(Xbox 360)。世の流れに乗っておくべく、「Star Craft II」も購入したものの、みんなのスピードについて行けずにちょっとドキドキ。
■野良犬雑記
http://d.hatena.ne.jp/Y_Matsui/
■IGDA日本デジタルゲーム競技研究会
http://igdajapan-esports.blogspot.com/
■デジタルゲームの教科書
http://www.s-dogs.jp/dgame/index.html


























